今になって思うと、何をそんなに必死になって幼稚園に通わせていたのかと思うのですが、集団生活に慣れさせなければ、この先学校にも馴染めない。そんな気持ちだったのかなと思います。
毎日毎日、すみません!今日も遅れます!と電話をしながら嫌がるてぃんを無理矢理連れ出し、幼稚園まで送り届けていました。
泣きわめくてぃんをパジャマのまま抱えて、カバンに制服を詰め込んで、汗だくになりながら幼稚園まで連れて行った事もありました。もちろん大人しく抱えられてくれる訳もなく、暴れて落ちそうになったりもするので、時々下ろして、また抱え直して……
もう虐待ですよね。
でも、てぃんの為だから。こうでもしないと幼稚園に馴染めないから。そう思って必死でした。
とりあえず連れてきて下さいって先生はおっしゃるのです。来たら来たで楽しそうですからって。来ないといつまでも慣れませんからって。
そうか、楽しめているなら、いずれ慣れるのだろう。楽しく登園出来ないのは、母の努力と工夫が足りないのだ。
そう思って、毎日てぃんと闘い続けました。
結局、二年間全くすんなり登園できるようにはなりませんでした。遅刻したり休んだりを繰り返して、なんだか幼稚園って謝ってばかりだったなぁ。毎日、迷惑をかけまくっている罪悪感に押しつぶされそうだったなぁ。そんな思い出でいっぱいです。
でも、後から気付けた事ですが、母は、全くてぃんの為に頑張っていなかったのです。
母は、周りに迷惑を掛けない為に必死になっていたのです。
一番大事にすべきだったてぃんの気持ちには寄り添えていなかった。
それに気付けたのは、てぃんが小学校に入って四年も経ってからだったのです。